甲状腺機能亢進症の症状

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甲状腺機能亢進症は、何らかの原因で甲状腺ホルモンが異常に多く分泌される病気です。甲状腺とは、首の前のほうにある器官で、人体のエネルギー循環や代謝、内分泌機能や生殖などを調節するホルモンを、分泌する働きをしています。人間以外では、年とった猫にも、みられる病気です。 甲状腺機能亢進症は、年齢的には、二十代から三十代の人に多く、甲状腺機能亢進症を患っている女性の数は、なんと男性の5倍といわれています。 甲状腺機能亢進症の自覚症状としては、いらいら、発汗、微熱、動悸、たくさん食べている割に体重が減少する、頻脈、手の指のふるえ、疲労感などの症状が現れます。見た目にも、甲状腺が腫れて大きくなるのですが、腫れの大きさと病気の重さとは、必ずしも関係ありません。眼球がぎらぎらと輝いて突き出てくるというのは、よく知られた症状です。女性では月経が少なくなったり、無月経になったりすることもあります。男性患者の一割は、手足が、繰り返し、一時的に麻痺するようになります。また、理解力や集中力の低下、精神不安定、不眠などの神経症状や、暑さに弱くなる、少し動いただけで息切れがするといった症状もあります。 妊娠中の女性は、生理的に甲状腺機能が変化するのが普通ですが、甲状腺機能亢進症でありながら、適切な治療を受けないでいると、妊婦や胎児のリスクが高くなります。

甲状腺機能亢進症の原因

甲状腺機能亢進症の原因はいくつかありますが、九割を占めるのが、バセドウ病です。正常な状態では、甲状腺ホルモンの量は、脳下垂体から放出される甲状腺刺激ホルモンという別のホルモンによってコントロールされています。甲状腺ホルモンが不足と判断されるときは、大量の甲状腺刺激ホルモンが血液中に多く放出されて、甲状腺に到達し、もっとたくさん製造するように命令します。反対に、多すぎると判断されれば、甲状腺刺激ホルモンは減少し、甲状腺ホルモンの製造が、抑制されるのです。ところが、血液中に異常なたんぱく質が発生することによって、このシステムに異常が生じ、甲状腺ホルモンを過剰に作りすぎてしまうのが、バセドウ病なのです。この病気が原因となって生じる甲状腺機能亢進症は、しばしば遺伝するといわれています。喫煙の習慣がある場合は、さらに、罹患率が高いようです。 甲状腺炎にかかった場合も、甲状腺機能亢進症の症状が現れます。炎症を起こした組織の細胞が壊れ、そこに溜めこまれていた甲状腺ホルモンが血中に流出することが原因です。 一部の結節性甲状腺腫も、甲状腺機能亢進症を引き起こします。これは、甲状腺の組織が、部分的に異常成長して結節となり、甲状腺刺激ホルモンの命令なしで、勝手に甲状腺ホルモンを生産するという病気です。 そのほかに、脳下垂体の機能が亢進することによって、甲状腺刺激ホルモンが過剰に作られ、結果として、甲状腺ホルモンの産生量が増加する場合がありますが、これは甲状腺機能亢進症の原因として、ごく稀な例といわれています。

甲状腺機能亢進症の治療方法

甲状腺機能亢進症の治療方法として、次の三つが挙げられます。 一つは、内服療法で、標準的に最も行われている方法です。甲状腺の働きを抑えるメルカゾールや、プロバジールという薬を、内服します。ともに、甲状腺ホルモンの合成に必要な酵素の邪魔をして、合成を阻害します。作用が強いのは、メルカゾールですが、妊娠中はプロバジールを服用します。 甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが正常化しても、薬を中止すると、すぐに再発してしまいます。したがって、二、三年は、根気よく飲み続け、最初は多めから、徐々に量を減らしていき、甲状腺ホルモンを正常範囲で維持できる量の薬を、摂取するようにします。ここで、減量のタイミングが遅れると、逆に、強い甲状腺機能低下症となってしまいます。長所は、簡単で、比較的治療費が安く済むところですが、完治までに長い時間を要し、白血球の減少やじんましんの発生といった副作用が現れる率が高いという短所があります。 二つめは、外科的療法です。甲状腺を切って小さくしてしまうことで、ホルモン量の調整をはかります。短期間で完治し、再発も少ないですが、二、三週間の入院が必要で、術後に傷跡が残るという短所があります。 三つめの放射線治療は、治療前後に、ヨードを含む食事を摂らないという条件の下に、放射性ヨードカプセルを経口摂取して、甲状腺の細胞を減らす方法です。薬のアレルギーや副作用で内服療法が無理な人でも、甲状腺機能亢進症を治療できるという長所がありますが、甲状腺機能が弱まるので、一生にわたり、ホルモン剤を、摂り続ける必要があります。また、妊娠中、および治療中に妊娠の可能性がある女性には使えないようです。

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